パソ・ロブレスの生産者
2つの冷涼な地域に挟まれるパソ・ロブレスは、海に沿った山が海からの風を遮り日中はか なり気温が上がるが、夜になるとサンタルシア山脈からの涼しい海風が吹き込み、気温はぐんと下がる。この寒暖の差がブドウの糖と酸の絶妙なバランスを生 む。またパソ・ロブレスのもう一つの特徴として多様な土壌がある。石灰質を多く含むこの地は、様々な品種の栽培に適している。果実味の強いジンファンデル や、温暖な気候を好むシラーなどローヌ系の品種が多く栽培され、フランスのシャトーヌフ・ド・パプスタイルのGSM(グルナッシュ、シラー、ムールヴェー ドルのブレンド)ブレンドの生産が盛んな地域である。

バラード レーン
バラードの町は、1862年から1870年までウェルズ・ファーゴ駅を経営していたウィリアム・バラードにちなんで名づけられました。バラードは農村部と海辺のコミュニティの間の接続点であり、セントラル・コーストのサンタ・イネス・ヴァレーの中で最も古いコミュニティですが隣のサンタバーバラのように発展せず、現在でも100年前とあまり変わらない趣です。カリフォルニアのピノ・ノワールを全世界に知らしめた映画「サイドウェイズ」にも登場しており、ブドウ畑、海岸の断崖、牧場の風景が最終的に地元の人が呼ぶ「レーン」にたどり着きます。 セントラル・コーストで5代にわたりブドウ栽培を行ってきたミラーファミリーが手掛けるバラード・レーンのワインには、彼らのこの土地や気候に関する深い知識とそのテロワールが反映さ ...
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バレルバーナー
パソ・ロブレスで造られるクラシックなカリフォルニアワイン 何世紀にもわたって、ワインメーカー達は、ワインを熟成させるオーク樽を焦がすことで、ワインに独特のスパイスや風味を加えることを楽しんできました。 長年にわたる試行錯誤の結果、オーク(樫の木)はワインの熟成において標準的な木材となりました。目指すワインにどの程度のオークの影響を与えたいかは、ブドウとワインメーカーの決断によって決まり、樽の選択と焦がしのレベルが選ばれます。 樽職人(Cooper)は樽の焦がし "トースト "のレベルを軽め(ライト)、中程度(ミディアム)、強め(ダーク)のいずれかにコントロールすることができます。ワインメーカーは、完成したワインに求めるフレーバー、テクスチャー、アロマを ...
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ボデガ デ エドガー
8 歳の時にメキシコから家族と共にアメリカにやってきたエドガー・トーレスにとって、自身の造るワインのブランドを立ち上げるのは、まさにアメリカンドリームの実現でした。トーレスがワイン造りに興味を持ったのは、ワインカントリーのレストランでウェイターをしていた頃でした。その第一歩は多くのワインメーカーが通った道、“セラーラット”(ワイナリーの雑用係)からです。セラーラットを勤めながらパソ・ロブレスの多くのワインメーカーとの出会いがありました。そのうちの一つハグセラーズでは、アシスタントワインメーカーとしてだけでなく、テイスティングルームでの接客やワインクラブのマネージャーなど、ワイナリー経営全般を学びました。2009 年にハグセラーズを一旦辞め、当時隣同士だったバ ...
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デナー ヴィンヤード
ニューカリフォルニアの若き革新者 パソ・ロブレス西側の小高い丘に瀟洒なテイスティングルームを持つデナーは、ロン・デナーがカリフォルニア中を探し回り、ようやく見つけた土地に建てた小さなワイナリーです。もとは地元の農家が麦を栽培していましたが、古代は海の底に沈んでいた土地のため、化石やクジラの骨などが混ざる石灰質が豊富な土壌です。緩やかな斜面は長い日照があり、テンプルトン・ギャップから吹き込む海風は昼間の暖かい空気を冷やすため、特にローヌ系品種の栽培にはぴったりな土地でした。デナーではサステイナブル農法にこだわり、できるだけ有機栽培に近い方法で栽培しています。現在、収穫の半分を自社のワインとして生産し、残りの半分をお隣のSaxumやJustin Winery など、地元のプレミア ...
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エバレー ワイナリー
パソ・ロブレスのワイン産業の立役者 パソ・ロブレスのワイン産業におけるパイオニアの一人であるギャリー・エバレー(Gary Eberle)は、自身のワイナリー設立と同時にパソ・ロブレスがアペレーションとして認定されることにも大きく貢献しました。エバレーは当時まだあまり流通していなかったシラーに着眼し、これをカリフォルニアに広めました。もとはタン・レルミタージュのシャポティエで栽培されていたカリフォルニア州立大学デイビス校所有の苗木を基に、20エーカーの畑にシラーのクローン株を植え、1978 年にアメリカで初めてシラー100%のワインをリリースしました。彼の新しい試みは徐々に周りのワイナリーも注目し始め、今日パソ・ロブレスはローヌ系ブレンドのプレミアムワイン生産地として、その地位 ...
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フィールドレコーディングズ
フィールド レコーディングスはアンドリュー・ジョーンズが自らの足で歩き、出会った畑や人々をワインという形で残した記録です。 得意なアメリカンフットボールで奨学金を受け大学に進学したジョーンズは農業経営学を専攻し、ブドウ栽培に出会います。ブドウ栽培にすっかり虜になったジョーンズはソノマコーストのガロでインターンとして勤め、本人曰く“すっかりはまった!”そうです。その後ブドウの苗木栽培所でアルバイトをしながら大学を卒業し、その後もそこで働き続けました。 仕事でカリフォルニア中を訪れ、特にセントラル・コーストやサン・ホワキン・ヴァレーの生産者を訪問するうち、毎年数百万の新しい苗木が植えられる中で自分用のワインができるほどのブドウを分けてもらうようになり ...
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レッジ・ヴィンヤード
新しいカルトワイン誕生の予感 ワイン造りを始めて10数年ほどですが、マーク・アダムス(Mark Adams)の造るワインはすでにジェブ・ダナックから99点を獲得するなど、大変完成度の高いワインです。 映画の音響制作でキャリアを築いていたアダムスは、いつかは父の牧場を継ぎたいと考えていましたが、放牧より果樹園に興味を持っていました。その夢の手助けをしてくれたのが、幼なじみのジャスティン・スミスです。80年代前半に “Saxum(サクサム)”で成功していたジャスティンは、アダムスにブドウの栽培を薦め、サクサムでの仕事をオファー。アダムスは数年間サクサムで多くを吸収した後、2005年James Berry から数千ものEstrella Cloneのシラ ...
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ピーチーキャニオン ワイナリー
ジンファンデルのスペシャリスト パソ・ロブレスの西側にあるピーチーキャニオンは、1988年にダグ&ナンシー・ベケット夫妻が立ち上げた家族経営のワイナリーで、パソ・ロブレスに最初に出来た10のワイナリーの一つに数えられています。テロワールを重視し献身的なワイン作りの姿勢が評価され、多数の受賞歴を誇り、模範的なジンファンデルを武器に、パソ・ロブレスをカリフォルニアの重要なワイン産地の一つへと押し上げました。 現在ワイナリーを引き継いだ2代目のジョシュ&ジェイク・ベケット兄弟は、ブドウ畑で両親の背中を見て育ちました。長年のワインビジネスに携わる中で、彼らは少し変わったアイデアでマーケットに可能性を見出しました。2004年に兄弟はピーチーキャニオンを離れ、クロニックセラーズ ...
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サン・リージュ ワインズ
ローヌ品種の若きスペシャリスト サン・リージュ(主従なき関係)は自分自身の自立へのあくなき追求であり、同時にローヌ・ヴァレーの伝統とニューワールドにおける自由と、どのような距離を保つかを意味しています。サン・リージュ/グラウンドワークのオーナー兼ワインメーカーであるカート・シャクリン(Curt Schalchlin)は、ワイナリーの名前の意味をこう説明します。ビジネスを専攻していた学生時代にワインの醸造と出会い、その魅力に取りつかれたシャクリンは、2003年に初めての自身のラベルをリリースしました。ローヌ系品種に大きな魅力を感じ特化してワインを生産するシャクリンは、その伝統に縛られることもなく、かといって突飛なことをすることもありません。サン・リージュは、ローヌブレンドを中心 ...
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ファブリスト ワインカンパニー
ファブリストは、ローヌ系品種を専門とするサン・リージュ/グラウンドワークのワインメーカーのカート・シャクリンと、フィールドレコーディングスのアンドリュー・ジョーンズが共同でプロデュースするブランドです。 好奇心旺盛なジョーンズは、セントラル・コーストのすべての畑に足を踏み入れるまで、ブドウ畑の栽培計画と植樹の研究に明け暮れていました。ある日彼は、まるでアート作品を完成させるようにワイン造りに取り組む才能溢れる醸造家カート・シャクリンと出会い、すぐに意気投合します。彼らは共に、畑やブドウ樹の声に耳を傾け、一房一房感謝の気持ちを込めて収穫し、真摯にワイン造りに取り組みます。同じ価値観を共有する二人は、このコラボレーションが必ず成功すると確信したのです。彼らは、それぞれのワインが語るべ ...
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ユニオン サクレ ワインズ
フランス・アルザス地方へのオマージュ ユニオン・サクレは異なる大陸出身の二人がカリフォルニアのセントラル・コーストで出会い、お互いを思いながら造るワインです。 フランス出身のWSET認定醸造家のザビエル・アルノ―ダンと、独学でデザインを学んだミシガン州出身のフィリップ・マジーは、パソ・ロブレスのティン・シティーで、アルザス地方で多く造られているリースリングを中心に単一畑、単一種のワインに特化して生産しています。 料理学校に通い、ソムリエになるためのトレーニング中、ミシュランの三ツ星レストランで研修中に、カリフォルニアから来ていたアルカディアン・ワイナリーのオーナー、ジョー・デイヴィスと出会い、彼の招へいを受けセントラル・コーストへやってきました。収穫やワイナリーでの仕 ...
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